| ●値段に見合うかミラコスタ？（２００４．２．３） |
『日本一強気なホテル』と旅行業界でいわれているという「ホテル・ミラコスタ」。ようやく抑えられた部屋は、思ったよりも眺望がよくなかったヴェネツィアサイトの一室。予算的な制約ではなくって、そこしか空いていなかった、というだけなのだが、何しろこのホテル、スイートルームを除く高い部屋からどんどん部屋が埋まっていくという変わったところなんで、最後のほうはスイートか、えっ、という部屋しか空いていないのだ。
ある程度のタイミングで電話すれば、運がよければキャンセルされた部屋をゲットできるらしいが、そんなことを根気強くやっている時間はない、ということで、今回はヴェネツィアサイトで我慢して宿泊することにした。
ということで、前置きは長かったが、今回はホテル・ミラコスタのお話……。
舞浜駅に到着すると、せっかくホテルを取ったんだからと、すぐに向かってしまうところを我慢して、イクスピアリ横のウェルカム・センターへ。ここは荷物が預けられるのと同時に宿泊中乗り放題のディズニー・リゾートラインのチケットを受け取ることができるのだ。当然のサービスなのだが、電話予約の時にはなぜか説明されなかったので、私が知らなかったらどうするのだ？ 自分でチケット買ってミラコスタに行ってしまうじゃないかね。
ホテルのエントランスはとても豪華なつくりで、社長が株主総会やマスコミなどで自慢していた気持ちがよくわかるほどだ。
以下断片的に。
●キャスト
キャストはほかのホテルのスタッフと違って、やはり笑顔が多いし、愛想もいいので、全体的にはいい感じである。
フロントから部屋に案内するベルボーイのキャストも、道すがら、初めての私達にホテルのいろんな説明を楽しそうにしてくれた。私もついついキャスト根性で一生懸命聞くふりをしながら、「そういえば、エレベーターの鏡が曇っていましたね」と話をふって「ああ、それはですね。このホテルはとても古い時代からありまして……」などと余計な説明をしてもらったり。
通り過ぎても、にこやかに「おはようございます」「いってらっしゃい」……キャストらしいんだけれど、ホテルの中でやられると、新鮮である。
ふつうのホテルのように礼儀としてやっているな、というのとは違う感じを受けるのがいいね。
●部屋
落ち着いたつくりで悪くはない。広さもまあまあだし、ベッドが高いという人もいるが、ホテルってあんな感じでしょう。
いいところはお風呂……湯船が広い。家族で入ることを想定しているからだろうが、あれだけ広い湯船はなかなかないだろう。
アメニティグッズも充実しているというか、みんなキャラクター入りで、品物もよい。冷蔵庫の品物も、同じ値段クラスのホテルとしてはとても安いと思う。
……いいところはこれだけ。で、悪いところ。
インターネットがつかえない。ＬＡＮ接続できないというだけでなく、ダイヤルアップ接続もままならない。ベッド横の電話に直接つながないといけないので、ベッドに寝そべりながら操作しないと使えないのだ。
電源が室内に一つしかないので、パソコン、携帯……一人で泊まるならともかく、複数で泊まったら、もう足りない。洗面台の横にもあるが、そこに電化製品を置くのもね。
新聞が選べない。……正論がきらいな人はどうするんだという感じだ。みたところ、値段の安い新聞しか部屋に配っていないようで、そんなところでけちらなくても、と思う。
壁が薄い。朝、何かうるさいと思ったら、扉の向こうから楽しそうな家族連れの声が響いてくるのだ。
ルームサービスがへぼい。朝食が高いセットメニューしかなく、ちょっとだけ食べたい人のためにチョイスすることができない。
貸し出し備品一覧がない。ふつうのホテルならあるはずなのに、どこをどう探してもないのだ。ちょっと借りたいものがあったのでフロントに電話したら、あるというので貸してもらう。
で、もってきてくれたキャストさんに、なんでないんだすか、と聞いたら「貴重なご意見を今後のご参考に……」などと、最近キャストさんお得意の言葉で逃げられる。
……つまり、何が言いたいのかというと、立派な値段をとるわりには、ホテルとしては三流なのだ。場所代だからといっても、ディズニーブランドでそれだけの値段をとっているのだから、少なくとも、都内同程度の料金をとるホテル並みのことはしてほしいものだと思う。
眺めがいいらしいボルト・パラディーソサイトでない限り、もう二度と泊まらない、と心に誓ってしまったほどである。っていうか、そこなら場所代だと開き直られても納得するのだが。
●「ベッラヴィスタ・ラウンジ」
夕食をいただきました。コース二種類のみ。平日のディナータイム最後の方なのに、「９０分までとなっていますので、ご了承ください」といわれ、食べる前からムッとした。総合リゾートを目指す企業が経営するレストランだけあっても、食事だけはさっさと食べろということなんですな。（そりゃ、人気で混んでいるのはわかるけれど、予約……ではなかったっけ、優先案内を受け付けているのは自分たちなのに、なんで、それじゃ、めいいっぱい受け付けるんだ。リゾートホテルとしてはバッドショーですな）
頭にきたので、散々二種類のメニューを見つめつづけて迷ったふりをして、安いほうのコースにする。値段で選んだのではなく、高い方はきらいなものばかりだったのだ。
ついでにワインもボトルで注文。「それでも、９０分で追い出されるんですよね」と、にこやかに言ってみようかと思ったが、しらふだったので、言葉を飲み込めた。
テーブルを担当するキャストはワインが減れば注ぎにくるし（当たり前だが）、「ワインの味はどうでしたか？」「料理はどうですか？」と声をきちんとかけてくる。話の内容があまりにも決まりきっているのでリアクションに困ったが、ふつうのレストランではあんまり話し掛けてくることはないので、そのへんもキャストらしくてよい、のだけれど、限度というものがあるだろうに。
料理の味は、まあまあである。でも、ここで食べるなら、少し高めでもＳＳコロンビアかマゼランズの方が雰囲気もいいし、おいしいし、平日の夜に「９０分まで」などといわれることはないのだ。
じゃなかったら、夜のカクテルタイムにお酒を飲みに来るところ、と思うほうがよいみたいだ。料理と違って、お酒はふつうのホテル並に高いが。
●オチェーアノ
ここでは朝食をいただいた。ブッフェスタイルで２６００円。ホテルの朝食してはそんなものなのだが、料理の多さにびっくり。今までいろんなホテルの朝食をいただいたが、ここほど種類が多いところは初めてであった。味もホテルの朝食のわりにはおいしい。日本食も充実していて、びっくりするほどである。
朝食をつつきながら、「あ、ナイトさんが乾ききっていないところをこすってる」と、オープン前のシーの様子を眺めるのは気持ちよい。
ここの朝食はお勧めである。宿泊客としてではなく、シーへ遊びに行くゲストとして朝の腹ごしらえに使いたいと思うくらいだ（そんなに早く起きて遊びに行くことはないが）
●ミニリザ・サンドリー
日用雑貨やアメニティグッズを販売しているところである。ディズニーグッズもいくつかあるが、実用的なものが中心……なのだけれど、店が狭いわりには、みやげ物のグッズなどが販売されているのでじゃまである。とくに平日でパークの閉園が早いときは食べ物などをほしくなるのだが、あまり種類はない。酒を置けとまではいわないが、ゅったりと滞在するための商品をもう少し充実した方が、リゾートホテルらしくなるのではないか。
アンバサダーホテルはすぐ横にイクスピアリがあるからいいけれど、ミラコスタはまわりに何にもないのだから。
……さんざんといってきたが、一番言いたいことは「宿泊費が高い」ということに尽きる。いや、それだけの施設、サービスがあるのならいいけれど、それを期待して宿泊したのだけれど、はっきりいって期待はずれだったので、かなり厳しく書いてみた。
もしかしたら、スイートルームやテラスルームといった、リッチなお部屋に泊まれば、施設もサービスも違うのかもしれないが、少なくとも、払った宿泊費だけものは与えてほしいものだ。
少なくともミラコスタに払った宿泊費の半額で、同時期に都内でもっと立派なホテルに泊まれたし、それに見合う以上のサービスは受けられただろう。ミラコスタに見合う料金は、甘く見ても、今の半額以下であると、私は思う（場所やディズニーブランドということを差し引いて）
そういう意味では、私にとって、高い授業料となった。次に泊まるなら、ミラコスタのポルト・パラディーゾサイトか（なんだかんだいって、やっぱり泊まってみたいんだな）か、でなければ、オフィシャルホテルのどこかだ。
いや、オフィシャルホテルの方が施設もサービスもミラコスタよりずっと良いし、本物の海が見える眺望は本当にすばらしいです。
ミラコスタが、ディズニーとシーの眺望に頼り切っている限り、一流のリゾートホテルにはなれないと思う。
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