| ロッテワールドはテーマパークではなく、単なる遊園地だった |
ロッテワールドは開園１５周年を向かえている。今回、初めてソウルにある世界最大の屋内テーマパークへ遊びに行くことができた。
簡単に言うと、ロッテワールドはアメリカのディズニーランドをかなりイメージしたというか、まあ、ぱくったという方が正しいのだろうか。マークのお城もほとんど「ディズニー？」という感じだし、さまざまな部分でディズニーくささ、感じる。しかし、結論をいえば、ディズニーのテーマパーク参考にした大型遊園地というのがその実体だと思う。
日本の葛西にもできるとか、できないとかいわれたこのテーマパークをソウル旅行の一番の楽しみにしていたのだ。
ホテルから地下鉄を乗り継いで、正午過ぎに到着。ロッテホテルで昼食をとったあと、さあ、遊びに行こう……としたら、入口がわからない。
なんと説明すればいいのだろう。ロッテワールドは主な施設が屋内……つまり建物であり、その周囲にホテルやデパートなど、いろんな施設を併設していて、入口がわかりにくい。
それをなんとか、探し当てて……地下一階が入口だったのだが、パスポートを購入して入場。すると、もう三時のパレードが始まるということで、パレードルートに並ぶ。もちろん、屋内なのだ。ロープが張られた鑑賞エリアの一番前で見ていたら、反対側に渡る人や子供を前で見せろという人……韓国の人は強引なのだ。……どうりでＴＤＲで見る韓国の人たちも……（自粛）
パレードは１５周年ということで、世界の祭りをテーマにしているようで、日本のフロートもねぶた祭りのイメージで、でも踊っているのは芸者さん？みたいな、そんな感じだった。考え方としては「ディズニー・カーニバル」というところだろうが、やっぱり予算と企画力が違うからねぇ。でも、最初のバンド演奏やパレードタイトルのフロートを人が押して進むところなど、「そっくり」であった。
パレード終了後、とりあえず屋外のエリアへ移動してみる。事前にほとんど調べてこなかったので、ここでもらった日本語マップとにらめっこした結果、ほとんどが普通の遊園地にあるようなアトラクションばかりで、興味を感じなかった。で、テーマパークっぽいかな、というものだけを乗ってまわることにした。
屋外のエリアは「お城」を中心に濠に囲まれたような場所である。ここで屋内型ジェットコースターに３０分待ちで乗る。だってライドが一台で運営されているから、なかなか列が進まない。
スペースマウンテン系かと思ったが、意外な仕掛けがあり、スピードはなかったものの、笑いながら乗車することになった。不思議な感覚の乗り物である。日本にはないかなぁ。
そのあと「」に向かったが、リハブ中である。
あちこちで大々的にポスターなどが貼られているものなのに、なんでだろう。……きっと何か大きなトラブルがあったに違いない。
というか、もらった日本語マップが古い。新アトラクションの案内が「2003年オープン予定」などと書かれている。
あとはもう、フリーフォール系など、ふつうの遊戯施設しかないので、屋内へ戻る。
屋内ではまず「シンドバッドの冒険」というものに入る。東京ディズニーシーにも同名のものがありますね。でも、つくりはほとんどカリブの海賊。大きなボートに乗って、最初に落ちる。わかりやすいほどのパクリである。雰囲気もカリブそのもの。ちょっと、というかかなり、スケールが小さい感じだが、それなりにお金もかけているし、乗っている時間もカリブなみの長さである。
でも、とにかく臭い。カビ臭いのだ。水を使っているアトラクションなのだから、そのへんの処理をきちんとしないとね。毎日掃除しているのだろうか。
「ジャングルの冒険」は名前とキャストのコスチュームからして、ジャングルクルーズかと思ったが、実際は屋内ウォータースライダーであった。丸いボートに乗って延々と濁流に流されるもので、濡れなかったけれど、まあおもしろかった。屋内でこういうものはめずらしいのではないだろうか。
「ふぁらお」……パンフレットには「2004年4月オープン」と書いてあったので、期待していったら、まだ工事中だった。
……これで見学終了。いや、アトラクションはほかにもあるけれど、あとは単なる絶叫系ばかりで、日本でも乗れるようなものばかりだったのだ。
この時点でまだ１７時過ぎだったので、隣接するロッテ百貨店を見学して、ついでに隣接する「民俗博物館」へ入る。朝鮮の古代・中世史を見て回るところだ。いや、実はこれが一番おもしろかったかもしれない。最初に展示してあった古代人のリアルな全裸にはびっくりしたが、それぞれの時代、国の建物などを中心に朝鮮の歴史をわかりやすく伝えていた。いわゆる反日的なところもほとんどない。豊臣秀吉のことを除けば。近現代史はなかったからね。
それも、すっごい広いので、見て回るだけで二時間はかかったのだ。
……これを見て思ったのは、ウォルトディズニーワールドにもプレジデントホールなど自国の歴史を見せるところがある。なのにＴＤＲにはなんで、何もないんや。
ミート・ザ・ワールドがどれだけ貴重なアトラクションだったか、改めて感じたのだ。
……あとは夜のショーを見るだけだったので、民俗博物館隣の伝統料理村でマッカリという朝鮮のどぶろくを飲みながら、チヂミなどをいただく。メニューは日本語でよかったなり。
マッカリがおそらく７００ミリリットルくらい入って、たった５００円ですよ。それも、ここはテーマパークのレストランだから、街中の居酒屋などでは、もっと安いのでしょう。
ほろ酔い……というか、かなり酔いながら、夜のショーを見る。屋内で行なわれるもので、レーザー光線を中心としたもの。屋内ならではの演出で、ちょっと単調な気もしたが、きれいであった。
その後、園内を一周するモノレールに乗って、帰った……でも、迷子になった。行きは地下鉄の駅から地下を通っていったのだが、帰る頃にはシャッターが閉まっていたのだ。地下街と直結していたからね。しかたなく地上に出て、どっちだろうと不安になりながら、人の流れに乗って歩いたら、駅にたどり着いたのだ。
それはともかく、ロッテワールドは冒頭にも書いたが、テーマパークではなく、単なる大型遊園地であった。内部は乱雑に施設が配置されていて、人の流れというものを考えていない構造。せっかくあちこちお金をかけているのに、なぜか雰囲気を壊すようなものが多かったこと。それに装飾や雰囲気の統一感がので、変な感じである。もっとテーマ性を高めて、雰囲気作りをすれば、それなりに見えそうな気もするが、おそらく自分達はテーマパークだとは思っていないのだろう。
一時期、葛西臨海公園にロッテワールドの施設を作るという計画が持ち上がったが、現在立ち消えになっている。それは正解だと思う。この施設をそのまま葛西に持ってきても、客は集まらない。ほとんどがディズニーの模倣で、ロッテワールドらしいというものが何もない、単なる遊園地を、世界一のテーマパークである東京ディズニーリゾートに隣接して作っても、集客を期待できるはずがない。
わりと期待して遊びにいったロッテワールドだったので、そのあっけなさというか、遊園地すぎる造りに失望してしまい、ちょっときつめな書き方になったが、世界最大の屋内型テーマパークを自称するだけあって、施設は立派だし、併設のホテルや百貨店、ショッピング街など、見て回るところも多い。そう考えると、これはこれでよいのではないかと思う。韓国の中では、もっともおもしろい場所なのではないだろうか。
でもここは、テーマパークではない。それだけは間違いないと思う。
……関係ないが、ハウステンボスはディズニーよりもロッテワールドを見習った方がよいとも感じた。
|
|
|